内地に帰ってきて一週間が経った
島で感じ得た色彩たちは都会の無機質な煙たさによって徐々に薄まり
体に馴染んだ波音はすでに雑踏にかき消されつつあるように思われる
「さて、この環境の篩に掛けられたのちに残るものは何か」
いま僕は南の島への郷愁と慕情の念を抱きつつも
自分の内で起こっている微妙な心の変化を静かに眺め、楽しんでいる
この街の冬には相変わらず機械的な悲哀が佇んでいるようにみえる
北風のせいか、それとも過去の投影か
ひと度ある言葉を投げかけると
忽ち慣れ親しんだこの街は「通過点」という新たな付箋を付加され、
どこか新鮮で刹那的な様相を呈し始めるのである
これまでとこれからの自分を旅人たらしめる言葉
「さぁ次は何処へ行こうか」
船はひた走る
踊る水飛沫たちを置き去りにして
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